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 レッスン中の画像はまったくと言っていいほど撮影されませんでしたからこれは↑貴重です

 - 出版のプロに作るよう勧められた教本 -

 東フィルを去って以来、14年間横浜で個人指導を続けていました。
その間、自分なりの初心者への指導法が徐々に出来上がってゆきました。

そこでレッスンでかなりの成果を上げていたアンサンブル教本の翻案を全音出版に持ち込んだのですが
山口次長に散々にけなされ、呆然自失していると、「こんなものを作って見る気はないか?」と
慰めのように提案されたものが、数年を経てこの「たのしくまなべるバイオリンの本」となったのでした・・

  ピアノのバーナムの教本は、たまにピアノの生徒の面倒をみていた関係で知っていましたが、それのバイオリンのスタイルです。
つまり、四小節の中に学ぶ内容を凝縮して、できるだけ多くのテクニックを習得し、問題点をひとつに絞って克服することを目的にしています。

結局、全音からは出せませんでしたが、様々な生徒たちに試したものと、また自分が本来出そうと思っていた原稿の二種類の原稿を持って訪ねたのは、以前に横浜の合奏団を取材してくれていたレッスンの友社でした。


レッスンの友社でこの教本は二番目の売れ筋になったとのこと
それからしばらくは、ヤマハの楽譜売り場にあるのを見るのが楽しみでした。
   
「たのしくまなべるバイオリンの本」
レッスンの友社刊

その後2012年の11月にレッスンの友社が業績不振から廃業に至ってしまい、わたしのところにそれぞれ二百部ほどが新品で残っています。もしご要り用でしたら、このページの下からお求めいただけます。

内容はこんな感じ  
自分としては子供っぽいのは本意ではなかったのですが
幼児向けまんが風に絵を描ける近所の方にお願いして


第二巻は生徒」の年齢が上がることも考えて若向きの絵を描く方にお願いしました
やはり横浜の知り合いです (今頃どうしていらっしゃるか・・)

 
四歳くらいからを考えて作りました
この以前に漸進的に五線を増やす「色音符」の遊びをしておくと導入はスムーズです。
音符のリズムは本書の中で学べます
基本となる別の教科書と併用できるよう、イ長調、ト長調、ハ長調からのスタートもできるようにしてあります


     第1巻28p ¥ 1,500 (税・送料込み)
 第一ポジションが安定してきた状態を想定し、♯と♭の三つまでの調を扱いながら三連符〜16分音符、6/8拍子などに進みます。
同時に、マーチ、ワルツを始め欧州音楽文化を絵と共に短い曲の中で触れるように工夫してあります。
巻末には、アンサンブルの基礎を置けるよう、先生との二重奏があります。

  第2巻43p ¥ 1,700 (税・送料込み)

当時のバイオリン教育の趨勢は、篠崎先生のお出しになっていたピンクの本が最初歩の幼児にも親しみ易いものがこれだけ有ったのですよ。いまもそうかな?
山口次長には、バーナムさんのアイデア盗用にはなりませんか?と聞いたところが、「ご本人も発表した以上は剽窃でもなければ大丈夫でしょう」と言っていましたが、しかし、自分の他にはやろうと言う方は出ませんでした。

この教科書のコンセプトや機能については、いずれ真面目に別の頁に書き出そうと思います。
 
これが出版された当時、レッスンの友社の担当の青木さんが日本ヴァイオリン界の大御所を訪問した時に見て頂いたところ、一巻をたいへん評価して下さったとのこと。
ですが、二巻は「なんじゃこりゃ?」だったそうです!ウウ・・
本人としましては、二巻には相当な工夫を施したつもりなのですが!

そこでレッスンの友社としては、月刊誌「ストリング」誌上で、「二巻の意義を語れ!と焚き付けてきたのです。
それなら乗ったかも知れませんが、「大御所E先生への反論として」などと畏れ多いことを言うものですから、ビビって止めてしまいました。
思えば、山口次長が仕掛けさせただけのことはあったかと思いますよ。レッスンの友が出版OK出したばかりでなく、これは売れそうだとなって、雑誌に記事まで載せようとしたのですからね。その話に怖れずに乗っていれば良かったと思う後悔のこの頃ではありますが・・

そして、三巻を作るとすればポジション学習用にしようと思っていましたが、準備をしている最中に、急遽所沢に越さねばならない事態に直面してしまいました。

いつか、もっと体系化して出せる日もくるでしょうか?

   



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